負けない株の選び方!初心者が株で勝つための銘柄選び

「株で負けない買い方」があるのか?
と問われたら?
「絶対に負けない買い方はない」と答えるしかありません。

そもそも投資ですから絶対に勝つ方法というものは無く、負けてしまう可能性はあります。

例えば、株の銘柄選びがそうです。負けない株の銘柄を選ぶのは、至難の業と言えるでしょう。
特に株式投資初心者の方にとっては、「どの銘柄が上がるかなんてわからない」とお悩みの方も多いと思います。

しかし一方で、勝ち組の投資家がやっている負けない株の選び方は存在します

サラリーマン投資家をはじめとする個人投資家の方が、自分の資産を増やしていくには、この『負けない株の選び方』をしっかり理解した上で、今後の株式投資で成功を実現していただきたいと思います。

そこで今回は、金融のプロに「負けない株の銘柄選びのコツ」を聞いてきました。

投資のプロが教える『負けない株の買い方のコツ』というと、何かトンデモない秘密があるように思いがちですが、お聞きした内容は意外とシンプルなものでした。

投資初心者でも十分真似ができて、実践可能なものなので、株式投資における負けない銘柄選びの方法が知りたい方は、ぜひ読み進めてみてください。

とは言え、負けない株の銘柄選び方法が分かっても、実践するとなるとなかなかうまくいかないもの。投資は経験を積みながら上手くなるなので、じっくり時間をかけて慎重に割安銘柄を選出していきましょう。

企業を買収するくらいの気持ちで株を買う

企業価値と株価に歪みがある株が存在している

『負けない株を選ぶ』というと難しく感じるかもしれませんが、それには理由があります。市場、特に日本株銘柄には、適切ではない株価の株がたくさん存在します。当然のことながら、株の買い方を学ぶには、まず株の適正価格を知る必要があります。

例えば、価値のない株(通称ボロ株)というものがあるのをご存知でしょうか?

会社には多額の借金(例えば50億円以上とか)がありながら、会社の売上はその半分(20億円未満)もない会社の株が、どういうわけか割高な2500円で取引されたりするのです。
本来なら、お金をもらったとしても、持ちたくないような株です。

これは、日本の高度経済成長期やバブル時代などの日本経済に勢いがあった時に、売上を一気にたてて上場した会社が多数あるからです。

しかしその後の実業が追いついておらず、その結果売上もなく中身が空っぽの状態で「マネーゲーム」として投資家に遊ばれているという例も存在します。50億の赤字があって、その上売上も20億しかなく、当然利益もほぼない企業の株なんて普通は誰も買いません。

ですがこんな会社が、上場企業の中にも30社以上存在しています。

紹介したのは極端な例ですが、企業の株価は必ずしも適正ではない形で存在することがあるのです。

逆に、ほぼ無借金経営でそのうえ業績が好調な企業で、本来なら1万円くらいの株価がつかないとおかしい会社のはずなのに、なぜか5千円前後で売買されいるということもあるのです。

ここが、株選びのポイントになります。

歪みのある株を買い占めて株価を上げる

現在割安で放置されている株というのは、何らかの原因があります。その原因によってタイミングは異なりますが、必ず適正な株価に戻る時があるのです。
そのタイミングを狙うのではなく、早めに手を打つこと。安く仕込んで、適正価格に戻ったら売るが基本ですから、それまでは買い増しを続けていくのもアリです。

しかし、「購入した株の銘柄がさらに下がってしまったらどうするのか?」という意見もあるでしょう。買い占めた銘柄の株価がもっと下がってしまったら大損になってしまいます。

この場合は、市場での売買だけを考えているわけではありません。株を大量に購入すると、少数株主から、大株主へと変わることができます。
つまり、会社に対して「影響力のある株主」になっていくことになるのです。

たとえば、会社が発行している株式の2割前後でも保有してしまえば、株主総会での発言権も当然大きくなります。上場企業であっても、株主からの提案には耳を傾けざるを得ません。

株主側の【企業価値を高めるための提案】は、他の個人投資家を含めた株主達からも評価されるでしょうし、そうなれば株価は回復していくことになります。結果的には、買値よりも高値で売却できるようになります。

これは単に「株を安く買って高く売る」だけの話ではありません。安く購入した株がさらに下がったとしても、またその株を買い増しして、その会社に対して影響力が高めれば良いのです。
そして影響力が高まった段階で、積極的に働きかけをして、株価の上昇をうながしていけばいいということになります。

万が一、株式を買い占めている最中に株価が上昇してしまったら、その時は普通に市場で売れば良いのです。株価が上がったのなら、売って利益を出すだけです。

ちょっと特別なことをしているように見えるかもしれませんが、そんなに難しいことをやっているわけではありません。この方法で株の銘柄を選べば、株価が上がっても、逆に下がっても負けることはないのです。

どっちに転んでも負けないということは、資産運用に最適化された手法だということです。

場合によっては、役員として誰かを会社から送ることだって可能になります。役員を送って会社の運営に対して参画するのです。
基本的には、財務内容も業績もいい会社の株を買っているわけなので、そのまま参画させてもらっても全然問題ありません。

IR(投資家向けの広報活動)の体制を充実させるよう提言したり、企業価値を高めるよう積極的にアドバイスをしたり、要請ができます。このように株価に一喜一憂しなくて済むので、非常に気持ちが楽です。

つまり、負けない株の選び方とは、企業価値の見抜き方と言い換えることができます。

だからこそ最初に企業分析を行い、株の銘柄選びをした時点で、もう勝負は決まっているようなものです。
たとえばリーマンショック直後であれば、売上10億、利益3億以上だしている優良企業を、4億円で買えたときもありました。

このように、簡単に買い占めができた時もあったのです。
今は難しいですが、それに近い会社はまだ存在しますので、そこを見極めながらじっくりゆっくり購入して行くと良いでしょう。

ここまでお伝えしたことをまとめると、負けない株の買い方とは・・・。

  • 企業の価値をしっかりと算定する。
  • 算定した結果を参考に株の銘柄選びを行う。

この二つが、負けない株の買い方の基本です。

「歪み」がある銘柄を見極める

「歪み」が存在する銘柄とは?

負けない株の選び方とは、企業価値の見抜き方であり、企業価値を算定した上で、その「企業を買収する」という視点に立つことが大事とお伝えしました。

ここで問題になるのが、「買収する価値がある企業(=本来の企業価値に対して株価が割安)」の見極め方ですよね。
これを考えるために必要な視点は、実際の株式企業の価値(純資産)と株価(時価総額)にどれくらい差があるかです。

例として、上記の表にあるように3社の企業があったとしましょう。

純資産(資産の総額から負債の総額を差し引いた金額)はそれぞれ100億円あるとします。簡単にするために、3社ともに100億円の現金がある会社だと考えてください。借金(負債)も3社ともにゼロとします。

まず、C社から見てみましょう。

時価総額は200万株 ✖️1500円 = 30億円となります。
株価に変動がない場合、30億円の資金があればこの会社の発行済み株式をすべて買うことが可能です。この場合30億円を用意して、C社の発行済み株式の半分以上を入手します。

過半数の株を取得したことで、あなたは事実上C社の経営権を握ることができます。

経営権をにぎった後すぐさま会社を解散して清算に入った場合、純資産である100億円の現金は、自分の手に入ります。この結果、株式の購入資金である30億を差し引いた70億を儲けることができるのです。

「こんなおいしい話があるはずがない」と思われるかもしれませんが、株式市場にはこのような状態の企業が存在しています。

なぜこのような、時価総額が実際の価値よりも低く見られる「逆転現象」が起きるのでしょうか。
お分かりでしょうが、株価が低いからですね。1,500円は明らかに安すぎます。

会社の純資産が100億あったとすれば、少なくとも適正株価は、100億 ÷ 200万株 = 5,000円以上になるのが普通です。しかし、そうはならない場合が存在するのです。

市場にはこのような、「歪み」が存在しています。

先の3社の中で、正しい企業価値判断がなされているのは時価総額と純資産額が同額であるA社ですね。

逆に、B社の株価は明らかに高すぎです。ここまで高くなるのであれば、他に理由があるはずです。もしその理由がないままにこの株価だとすれば、何らかの操作がされていると怪しまなければなりません。

この市場での歪みを見つけるには、歪みが生じる原因を知っておく必要があります。次にそんな歪みの生じる一例を紹介していきます。

「歪み」の原因:目先の利益を追う投資家

2014年10月に西アフリカで起こったエボラ出血熱の報道により、アゼアス株式会社(防護服の製作メーカー・本社:東京都台東区蔵前)は連日ストップ高になりました。これはエボラ出血熱が世界に広まると、アゼアス社が脚光を浴びるだろうと考えた投資家たちが、買いに殺到した投資行動の結果です。

株価は三日連続でストップ高となりましたが、その後は少し落ち着き、週をまたいで翌週の月曜日には一気にストップ安となりました。

このように一部の投資家たちは、短期的な目先の利益を株で儲けようとします。そのため、企業本来の価値や業績に関係なく、株価は簡単に乱高下してしまうのです。

ここで大事なのは、短絡的な利益を追求する投資家の存在によって、株価は時期によって適正価格から大きく外れてしまうということです。例にあげたアゼアス社のように、市場に「歪み」が生じる場合があるのです。

負けない株の銘柄選びができるようになるためには、こうした市場の歪みを見極められるようになることが基本となります。
ですが、投資初心者にいきなり市場の歪みを見つけろと言っても、それは非常に難しいでしょう。

そこで、投資初心者であっても市場の歪みを見つけられる方法をお伝えします。

【PBR】【ROE】【PER】をチェックする

 PBR(株価純資産倍率)とは?

市場の歪みを見つける重要な指標として【PBR(株価純資産倍率)】があります。

これは、時価総額(株価に発行済株式数を掛けたもの)と純資産のバランスについて一目で理解する指標です。つまりPBRを見ることにより、投資企業の本来の価値より、ついている株価は割安かまたは割高なのかを知ることができます。

PBRとは?

Price Book-value Ratio(株価純資産倍率) 算出式:時価総額 ÷純資産

株価が1株当たりの純資産の何倍になっているかを表した指標。数字が大きければ割高、数字が小さければ割安と判断できる。

先にあげたこの3社を例にPBRを計算してみましょう。

PBR=1の場合、投資企業の本来の価値と、株価が同額で適切な価値がついている企業とされています。
先の例で見れば、A社が適切な状態になっていることがわかりますね。

負けない株の選び方としては、本来の価値より割安となっている銘柄を選ぶ必要がありますので、この【PBR】が『1』を切っている銘柄、上の表であればC社ということになります。

投資家から資金を集めて、多額の資金を運用するヘッジファンドマネージャーも、最初の一歩はこの【PBR】から始めます。個人投資家と何も変わりありません。

ですので、【PBR】でソートをかけていくことから始めてみましょう。

 PBR活用時の注意点

ただ、注意点が1つだけあります。

【PBR】が『1』を切っていたとしても、業績が赤字である企業はダメです。

業績が赤字だった場合は、純資産を取り崩すことになりかねません。現時点でPBRが1倍以下だと思って安心していてはダメです。株価は変化しなくても純資産(分母)が減ってしまうので、PBRが1倍以上に戻ってしまう可能性があります。

また最初にお伝えした、『その会社を買収するつもりで考える』という視点に立てば、業績が赤字の企業を買収しようとはしないでしょう。

【PBR】だけを指標とするのではなく、他のデータも合わせ見て、判断するようにしてください。

以下に【PBR】を計算できる無料ツールのリンクを貼っておきますので、ぜひ活用してください。

銘柄選びに活用したい無料ツール(2戦)

❖  株マップ スクリーニングツール(外部リンク)

❖  トレーダーズウェブ 無料スクリーニングツール(外部リンク)

 

【ROE】【PER】もチェック

PBR1以下が負けない株の銘柄選びの基本になることは、先にお伝えした通りです。
ただそれだけでは不安に感じる方もいるでしょう。

最初はPBR1以下を指標として、余裕ができれば【ROE】【PBR】の2つの指標も合わせることで、より精度が高い『負けない株の銘柄選び』ができるでしょう。

各指標について、1つずつ紹介していきます。

【ROE(自己資本利益率)】は10%以上

確認する指標の一つは、ROE(自己資本利益率:Return On Equity)です。
ROEを求める数式は『当期純利益』÷『純資産(自己資本)』となります。

数式にもあるように、企業が自己資本を使って、どれだけ効率的に利益を生み出したかを表す指標です。
またREOは、経営者が株主に対して果たすべき責務を表した指標と見る場合もあります。

この数字からは、企業運営の効率の良さが分かり、日本の上場企業のROEは10%前後だと言われています。

【ROE】は、あくまでも一つの指標(数値)として、押さえておくことをおすすめします。というのも、このROEを上昇させるには二つの手法があるからです。

1つは、当期純利益(分子)を上昇させることです。利益が増えればROEも上昇します。
企業として当然の手法と言えますし、投資家にとっても分かりやすい手法です。

もう1つは、分母の自己資本を減少させる方法です。
利益が増えなくても自己資本を減らせれば、ROEの値は上昇させることができます。

例えば、ROEを上昇させるために自社株買いを実施して自己資本が減少させるケースがあったりします。過去には、「資本構成の適正化」としてわざわざ新規の借り入れを行って、自社株買いの原資にあてた企業もあったほどです。

ただこのような自己資本の減少によりROEを向上させる方法は、投資家としては歓迎できません。実際には利益が上がっていないので、業績としては良くて横ばいの状態です。

ですがこの時、ROEだけを見ていたとしたら、企業の業績を見誤る可能性が出てしまいます。

ですので、PBRでもお伝えした通り、それ以外のデータ(売上高や利益、財務面の安全性など)も確認をして、総合的な判断をすることが重要です。

【PER(株価収益率)】は10倍以下

もう一つの指標は、PER(株価収益率:Price Earnings Ratio)です。

PERを求める数式は、『時価総額』÷『純利益』になります。

数式を見てわかるとおり、PERはPBRと同様に、純利益と時価総額のバランスを表す指標になっています。相対的にはPERが低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安であると言えます。
つまり、株価が本来の企業価値より、割安か割高かを見ることが出来るのです。

あくまでも例としてですが、上の表で3社とも純利益が10億円であった場合、PERは以下の表のようになります。

ちなみにPERは、主に10倍程度が適正とされています。
それよりも高ければ『割高』、低ければ『割安』と判断することができるということです。上の表であれば、A社は適正値であり、B社は割高、C社は割安であると判断できます。

ここまで見てきた3つの指標をまとめると、以下の表になります。

『負けない株の選び方』は想像以上に簡単

ここまで『負けない株の選び方』について見てきました。
そのポイントをまとめると

  • 株を買う時は、その企業を買収するつもりで。
  • 企業の価値をしっかりと算定する。
  • 算定した結果を参考に株の銘柄選びを行う。
  • 活用したい指標は【PBR】【ROE】【PER】の3つ。

となります。

ただこのように『負けない株の選び方』が分かったとしても、投資は経験を積みながら上手になるものです。実践するとなると、なかなかうまく行かない可能性もあります。

ですがだからこそ、最初にもお伝えしましたが、上にまとめたポイントに沿って、じっくりと時間をかけて慎重に割安銘柄を選出するようにしましょう。

また、どうしても株の銘柄選びに時間を割けないという方は、プロに任せたほうが良いと言えます。プロに任せることで、割安株投資や今回ご紹介したのと同じような投資方法で投資ができます。
プロに任せた方が安心ですし、あなたも楽ができます。

また時間がない方は、ファンドへの投資を検討しても良いのではないでしょうか。

なぜなら、この “プロに任せる” というのも、立派な『負けない株の選び方』の1つだからです。