「 株式投資とは何か?」を一言で説明すると、企業に投資を行うことです。
あなたも今までに「株式投資」という言葉は耳にしたことがあると思います。ですが「株式投資って何だろう?」と考えても、ちゃんと理解している人は少ないのではないでしょうか。
最初の言葉にあるように、株式投資とは「企業に投資を行うこと」です。企業に投資を行うことでメリットを得られるので、多くの人は株式投資をしています。
ですが、もちろんデメリットもありますので、その両方をこの記事では解説していきます。
これから始めてみたい方へ、株式投資の始め方もお話ししていますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
目次
株式会社と株主の意味を理解する
まずは、こちらも普段からよく聞いたり使ったりしている「株式会社」と「株主」についてお伝えします。
企業が発展していくにはお金がかかります。発展ではなく、事業を継続していくだけでも、たくさんのお金がかかります。例えば、商品を開発することもあれば、店舗を新たに構えることもあるでしょう。また、ときには人材の雇用を行う必要も出てきます。
そのようなお金が必要になった際に、多くの企業は銀行などの金融機関に融資を申し入れてお金を借りたりします。ですが金融機関からの融資だけでは、企業の行う事業などを完全に補填していくことはできません。
そこで、企業は「株式」を発行します。発行した株式を購入してもらうことで、事業を行うために必要な資金を集めるのです。
「株式会社」とは、このように株式を発行して、集めたお金で事業を行っている会社のことを指します。
そして、その企業の株式を購入してくれた人のことを「株主」と呼ぶのです。
株式会社の株主になると、株主になった会社から3つの権利が与えられます。
まずは、株主になると与えられる権利とは何なのかを、詳しく解説します。
株主になったら得られる3つの権利
株主になることで与えられる3つの権利とは
- 議決権
- 利益配当請求権
- 残余財産分配請求権
の3つです。
それぞれ見ていきましょう。
議決権とは
「議決権」とは、株主総会に参加することが出来る権利です。
株主総会とは会社の運営方法や、投資家から集めた資金の使い道などを決めるための会議です。株主にとっては経営陣に対して意見を直接ぶつけることが出来る機会でもあります。
株主になると、その株主総会に参加し「票」を入れる権利を持つことが出来ます。
この票というのは一人1票ではありません。株主の株の保有数によって決められます。
株主総会には、必ずしも株主全員が参加するわけではありません。もちろん欠席することも出来ます。その場合、ネットやハガキで投票することもできます。さらに、株主総会のネット中継を行っている企業もあります。ソフトバンクなどが、すでに取り入れています。
余談になりますが、株主総会に出席する個人投資家や株主にとってひそかな楽しみに「株主総会のお土産」があります。
例えば【花王】のお土産は洗剤や洗顔料などの化粧品、柔軟剤、シャンプーとバラエティーに富んでいます。新製品のお土産や試食もあり、気になった製品を試すこともできるなど人気が高いです。
利益配当請求権とは
利益配当請求権とは、株主になった株式会社から、配当金を受け取ることが出来る権利です。
株式投資をしたことがない人にとっても、株主のイメージとして最も有名な権利ではないでしょうか。各株式会社は投資してくれた株主へ「配当金」という形で、会社の利益の一部を還元することがあります。日本の多くの株式会社の場合、配当金は年に1~2回程出ることが多いです。配当金の平均的な利回りは約2%前後となっています。
残余財産分配請求権とは
残余財産分配請求権とは、株主になった株式会社が解散した際に、残った財産の分配を受け取ることが出来る権利のことです。
企業である以上、投資した株式会社が永遠に存在するとは限りません。解散してしまう可能性はゼロではないのです。万が一そのようになった場合、負債(借金)を返済して会社に残った財産に対して、株主は持ち株数に応じてその分配を会社に請求することができます。
その際、株主は有限責任のため、会社が解散しても投資額以上の責任を負うことはありません(会社法第104条)
つまり、投資した金額が戻ってこないだけで、投資先の株式会社に代わって借金を返して行く必要はないということです。
ここまで、株式投資の概要をお伝えしてきました。では次に、多くの投資家に株式投資が人気の理由を、株主が得られる3つのメリットをお伝えしながら、解説してきたいと思います。
株式投資が人気の理由とは?
世の中には色々な種類の投資がありますが、その中でも株式投資は多くの日本人投資家に人気があります。あるデータによると、5人に1人の日本人が、一生のうち1回は株を購入するともいわれています。それだけ株式投資が人気の理由は、大きく次の3つのメリットを得られるからです。
- 株を買うだけで特典をもらうことができる
- 少ない資金で始められる。しかも誰でもできる
- 資産運用なので副業禁止のサラリーマンでも問題なく始めることができる
では早速、それぞれのメリットについて解説していきます。
株を買うだけで特典をもらうことができる
こちらは先程紹介しました、株主総会でのお土産もそうかもしれませんね。株を買うだけで、つまり株主になるだけでもらえる特典は多岐に渡ります。
例えばJRを運営する企業として有名な東日本旅客鉄道では、自社営業路線内運賃・料金40%割引券や株主サービス券などをプレゼントしています。つまり東日本旅客鉄道の株主になると関東・甲信越から東北までの広範な地域をカバーするJR路線がお得に乗車できるというわけです。
また、ディズニーリゾートの運営会社であるオリエンタルランドの特典も有名で、毎年ワンデーパスポートを配布しています。
このような特典は、他の投資にはみられないメリットですね。
配当金ももちろんですが、このような特典が目的で株式投資を続けている人も少なくありません。
少ない資金で始められる
続いて2つめのメリットです。
2つめのメリットは、少ない資金で、しかも誰でも始めることができることです
株式投資を始めるためには、大きな初期投資は必要ありません。企業の中には1株計算1000円以下で購入できる株もたくさんあります。
ただし、日本の場合は1株ずつ購入するわけではありません。単元株(最低購入株数)という決まった単位で取引されます。1単元は100株です。
例えば、わかりやすく1株500円としましょう。最低購入株数である1単元株を購入する場合、『500円×100株=50000円』となります。つまり、株式投資を5万円で始められるのです。先ほど1000円以下の株があるとお話しましたが、1株1000円以下なら10万円以下で始められる銘柄も多くあるということです。
株式投資は10万円程の資金があれば、比較的買いたい銘柄を自由に買うことができますし、また数千円で始めることが出来る「ミニ株」というタイプの株式もあります。
このように、誰でも少ない資金で始められることも、株主投資の大きなメリットです。
資産運用なので副業禁止のサラリーマンでも問題なく始めることができる
3つめのメリットは、2つめのメリットである「誰でも始められる」にも関わってきます。
株式投資は資産運用に該当します。日本でも副業解禁の流れになってはいるものの、いまだに副業を禁止している会社は多くあります。そのような副業を禁止している会社にお勤めの方でも、株式投資をやっているからといって処分の対象になりません。副業ではなく資産運用だからです。
会社の給料以外の収入源を増やしたいけど副業ができないサラリーマンにとっては、株式投資がもう1つの収入を得る手段になります。
また、サラリーマンだけではなく、公務員の方にもおすすめです。公務員は副業が禁止されていますが、実は金融商品の売買や不動産投資で収益を得ることは公的にも認められています。公務員は給料以外で収入を増やすために副業はできませんが、資産運用は可能なのです。
資産運用をしたくても、常に相場を見ている必要がある投資もたくさんあります。ですが、株の売買は時間もあまり必要ではありません。通勤時間や休憩時間のちょっとした空き時間でもできます。
忙しいサラリーマンや公務員にとって、相性の良い投資の1つと言えるでしょう。
気をつけたい、知っておくべき株式投資のデメリット
株式投資のメリットをお伝えしてきましたが、当然デメリットもあります。デメリットを事前に知っておくことで、上手に運用していくことに繋げてください。
まず、これは株式会社の株主になるにあたり、当然の注意勧告ではありますが、1番忘れてはいけないのは「会社が倒産したら無価値になる」ということです。
株式投資は「企業」に投資を行う投資方法です。ですので、投資した企業が仮に破綻してしまった場合、投資した金額は一円も戻ってこない可能性があります。このことは念頭に置いておきましょう。
他にも、株式投資のデメリットは大きく2つありますので、ご紹介します。
株の価格が値下がりする可能性がある
1つ目は、株の価値が値下がりする可能性があることです。
株式市場は「生き物」と呼ばれるくらい、常に上下と変化しています。 購入した株式が急騰して大きな利益を出せる可能性もありますが、その反面、急落したら大きな損失を被ってしまいます。
また、株式投資初心者の人にとっては、これから値上がりする銘柄を見つけるのは非常に難しいです。例えば「企業の業績」「財務状況」「株価収益率(PER)」「株価純資産倍率(PBR)」といった指標を確認する必要があります。さらには株式チャートや経済の動きをニュースや新聞などで見る必要も出てきます。始める費用面でのハードルは低いですが、稼ごうとなると、決して簡単ではありません。
取引したいときに出来ない可能性がある
2つめのデメリットは、自分のタイミングで取引き出来ない可能性があるということです。
株式は、需要と供給が成り立ってはじめて取引が成立します。つまり、人気のない銘柄などは、需要と供給のバランスがつり合わず、取引が成立しないという可能性があるのです。
ニュースなどで「ストップ安」や「ストップ高」という言葉を聞いたことがある人も多いのはないでしょうか。ストップ安とは、株価がその値幅制限まで価格が下落すること、ストップ高とはその逆で、値幅制限まで価格が上昇することです。
保有している株式がストップ安になる程、どんどん株価は暴落してしまいます。その際に「売りたいのに買い手が見つからないから手放せない」という可能性がある点も、株式投資のデメリットとして知っておきましょう。
ここまで株式投資のメリット・デメリットを紹介してきました。お伝えしたことを踏まえ、株式投資を始めてみたいと思った方もいるでしょう。
なのでここからは、株式投資の始め方についてお話ししたいと思います。ぜひ参考にしてみて下さい。
ゼロから始める株式投資5STEP
ここからは、株式投資をゼロから始めるために必要なステップを5段階で紹介したいと思います。もちろん既に始めようと思って準備していた方は、自分に必要なステップから始めてください。
STEP1株式投資の入門書を買う
まず1番最初にやって頂きたいことは、入門書を買うことです。株式投資の本は、本屋さんやAmazonでもたくさん売られているので、初心者向けの本を選んでください。
新しいことを始める時、まずは全体像を大きく捉えて理解した方が良いです。
株式投資を始めるのならば、株式投資の全体像を、まずは頭に入れるようにしましょう。
STEP2.証券会社へ口座開設の申請をする
STP2は証券会社の口座を開設することです。
日本国内の証券会社は、大きく分けて2つのタイプに分かれます。野村證券のような対面顧客型とSBI証券のようなネット型の2つです。
どちらも口座の開設には1週間程度の日数がかかります。口座の開設自体に料金は一切かからないので、まずは自分の興味を持った証券会社で口座を開設してみましょう。
特にこだわりがなければ、まずは手軽な上に手数料の価格も安いネット型から始めてみると良いでしょう。
STEP3.日経新聞やビジネス系の雑誌で特集されている銘柄を調べる
ここまでで人気の入門書を読み、口座の開設も申請しました。この時点で、株式投資自体は始めることができます。口座を開設したら、すぐに株式投資を始めても良いのですが、出来れば少し時間をとって、どんな銘柄を購入するかを検討してみましょう。
その際に参考になるのが、日経新聞やビジネス誌です。日経新聞やビジネス誌で取り上げられているおすすめの銘柄を探しだし、その企業の財務データに目を通してみれば、多くのことを学べるはずです。
その調べた銘柄を買う必要はありません。ただ、どういった銘柄が今の世の中で関心を集めているかを知ることはとても大切です。
STEP4.YouTubeやオンラインのセミナーで勉強する
YouTubeなどの無料動画やオンラインのセミナーでも知識や情報を得ることができます。たくさんあるので、自分に合ったチャンネルを選ぶと良いでしょう。
ここまでに、読んだ本や日経新聞などから知識を得ているので、少し難しい内容も頭に入ってくるでしょう。
STEP5.気にいった株を実際に買ってみる
さて、いよいよここで株の購入です。STEP4までで日経新聞やビジネス誌などを読んだり、企業の財務諸表を見るなどして、「買いたい」と思う銘柄があったらすぐに買いましょう。ここで大事なのは迷わず買うことです。なぜなら、銘柄を買わないと株式投資は始まらないですし、銘柄の価格はリアルタイムで変動するためです。
タイミングを逃してしまうと次のチャンスはないかもしれません。株式投資は「買いたいと思ったら迷わず買う」ことが大切です。最初は慣れないかもしれませんが、その勇気をもてるようになりましょう。
株式投資は嬉しい投資手法
ここまで、株式投資についてのそのメリット・デメリット、そして初心者の人向けに始め方についてもお話ししてきました。
投資である以上、株式投資は当然ですが利益を狙うためのものです。ですが、それだけではなく、優待という特典まで貰える「嬉しい」投資手法でもあります。単に稼げる稼げないだけではなく、楽しむこともできます。
もちろん、チャートの読み方や経済指標など、始めるにあたって勉強も必要です。ですが、その学びも含めて楽しんでみてはいかがでしょうか。この勉強が苦じゃなく、また熱い気持ちを持って取り組めるという人は、株式投資での運用は合っているはずです。
いきなり大金を使うのではなく、まずは少ない金額からで良いので、挑戦してみてはいかがでしょうか。